想定: 「前門の信用収縮(=経済情勢(大)悪化)、後門の過剰流動性(高インフレ)」という複雑な状況は、今年さらに深刻化
→各国の経済政策も金融政策も”前門”への対処を最優先とし、後門への対処はやや優先順位を劣後させるも、当初想定より経済情勢もインフレも深刻化しなかった。
特に、「今年後半以降の(金融危機や大規模なデフォルトといった)致命的な経済状況の悪化が顕在化するリスクを考慮」としていた部分については、少なくとも日米欧に関しては当てはまらなかった。中国ではチラホラ出ているが、これを書いたときの対象は米国と中国だったことから、想定通りであったとは決して言えない。
ただ、”K字型”経済の中でごく一部の企業や層が経済全体を牽引したこと、そうは言ってもインフレ自体はそこそこ高い水準で留まり続けたこと、を鑑みると、大外れという訳でもないと思う。
半分ちょっと未満想定通り、半分ちょっと超え想定外れ、といったところやね。
その上で、実際の動きとしては、
- 高インフレ下でも価値が維持されやすい、棚卸資産を扱う事業への経営資源の重点配分を継続する。
- 法定通貨の価値下落リスクを管理するため、ゴールドの留保(積増)を継続する。
を行おうとし、実際に1年を通して行ってきた訳であるが、結果としてこれは一定程度の良い結果を生むことになった。
また、これらに加え、AIネイティブ時代の到来に対する適応・変化というものにも取り組んだ。まだ半ばではあるが、道筋を付けた(そのための意思決定をした)という点は、一定の評価をして良いものと考える。
平素から申し上げているとおり、未来を完全に想定(予測)することは不可能である。
この認識を大前提とした上で、経済をはじめとした環境全体の「中心」の移動を読み、致命傷を避け続けることで時間を味方に付けるという弊所の哲学は、十分に機能したものと捉えている。
経済や環境の”天井”を当てるような派手な成果ではなかったものの、インフレという大きな流れを見誤らず、事業を保全できたことは、私たちの最重要指針である「ノックアウト・ファクターの回避(不敗至上主義)」を体現するものとなった。
事業のピボットには時間がかかる。だからこそ、危機が顕在化してから動くのではなく、静かな時にこそ「次」を見据えた準備をしておく。2025年は、まさにその準備と忍耐の年であったと考えている。
来る2026年も、私たちは「無事之名馬」 の精神で、弊所・関与先それぞれの”ゴール=存在意義の具体化と継続化”に向け、環境のノイズに惑わされることなく、淡々と歩を進めてまいります。
本年も大変お世話になりました。心から感謝申し上げます。
皆様も、どうぞ良いお年をお迎えください。
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