はじめての皆様へのご挨拶

2025年5月7日水曜日

AI時代のFOMO

It's the FOMO!!


新しい技術、革新的な技術、ゲームチェンジを起こす可能性がある情報技術が登場するたびに、「乗り遅れてはいけない」「今すぐマスターしなければ」という声が大きくなる。

インターネット、スマートフォン、ソーシャルネットワーク、暗号資産、メタバース…これまでにも何十度と見てきた光景だ。

毎度毎度「今回は(それまでの技術革新のインパクトとは)全く異なる、異次元のものだ!」という言葉が発せられるのも全く同じくである。「これまでにない!」という言葉こそ、これまでに聞き飽きている矛盾を感じる。

もちろん、この世に生まれた技術は不可逆で、なくなることはないし、あらゆる技術は程度問題こそあれいずれ世界中で使われるようになるものだと思っている。

(生成)AIに関しても、インターネットやスマホなどと同程度、あるいは超えていく可能性が十分あると捉えているし、根本的・抜本的なゲームチェンジの可能性を秘めているものであるとも捉えている。


こうした状況を傍観していていつも思うのは、古今東西、人間というものは「最先端追い病」にかかりやすい生き物だということだ。

これは、新しいものへの純粋な好奇心や探求心に加え、「Fear Of Missing Out(FOMO)」、つまり「取り残されたくない」「時代の流れに乗り遅れたくない」という潜在的な不安が合わさって生まれる現象なのだろうと思う。

もちろん、新しい技術や情報をキャッチアップすることは極めて重要だ。しかし、そこに「飛びつく」「考えなく踊らされる」と、無駄にHP(体力や時間)とMP(精神力や持続力)が削られ、今後やってくるであろうより重要な場面でそれらが尽きている―ということになるのではないかと思う。


私の個人的な考えとしては、こういう時こそ「哲学と妄想」が大事だと考えている。

自身の哲学に照らし合わせ、「長期的に見てどういった世界・社会が到来するのか?」と、じっくりと妄想を巡らせてみる。そして、自身の限られたHPとMPを、本当に価値があると思える場所に温存しておく。

言うは易く行うは難し。これには相当な「胆力」が必要だ。

周りが騒いでいる中で、冷静に、そして長期的な視点で物事を考える。これは、誰にでも簡単にできることではないからだ。

しかし、だからこそ、それができる人は、流されることなく自身の道を切り開き、結果として確かなものを掴むことができるのではないかと思う。


大事なことなので2回、(生成)AI自体は素晴らしい技術であり、今後も進化し、社会に浸透していくことは間違いないと捉えている。

その可能性に目を向け、楽しんで取り入れつつも、それにどう向き合い、どう自身の活動に取り入れていくかは、自身の哲学と長期的な妄想にかかっている。

そして、その判断を支えるのは、周りに流されない確固たる「胆力」なのではないかと、強く感じている。


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