現時点で私が持っている長期時間軸で世界を見渡す観点での最優位想定は、今現在、これまでのシーパワー優位の時代からランドパワー優位の時代への(再)転換点にいるというものである。
(あくまで長期時間軸での想定であるため、振れ幅は大きい。シーパワー優位が続く可能性も大いにある。)
なお、仮にシーパワー優位からランドパワー優位への転換が現実化するとして、素直にじゃあ我が国もランドパワーを獲得すべきである―とは思わない。
我が国固有の地政学上の環境・条件がある訳で、そういったことを無視していたずらにランドパワーを獲得しようとしても、生粋のランドパワーたちに勝ることは極めて困難であると考えるためである。
ただ、それでも、最低限の兵糧攻め対策は必須であると考えている。
また、エネルギーを含めた兵糧攻め対策が一定以上の水準にある場合、存亡は工業力次第となると考えている。
我が国は、率直に兵糧攻めには弱い(少なくとも、強くはない)だろう。
だからといって、今すぐに食料自給率を100%またはそれに限りなく近い状態に近付けるというのは、絵空事である。
現実には、調達(輸入)先の分散と、食料自給率を漸増させていくことにより、従前の調達先も含めたミックスのバランスを最適化していくということになるだろう。
(調達先の分散については、環太平洋の国々とオセアニアの国々を増加させるということになると想像している。)
工業力に関しては、我が国はやるとなったら何とでもなる。
特に、技術や教育や国民性などについては全く心配していない(…にも関わらず、近年は工業力に寄与しないことばかり全体としてやっている訳だが…)。
現代における基礎的な工業力とはどういったモノを指すか、に対して、資源を投入していくということになるだろう。
(実際に国家としてやれるかどうかは別の話ではあるが…。)
ここまでの数年、そしておそらくはここからの数年も、最も俯瞰的なところから見た運用方針は、このあたりの感覚がまずはベースとなっている。
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