はじめての皆様へのご挨拶

2024年4月30日火曜日

経済の”色”の変わり目の可能性…か?

年初に2024年の想定として「短期的には、日本に関しては、適度なインフレ下(ディスインフレ下)での経済情勢の良化」を優位としたが、この”短期的には”という期間の終わりの始まりを感じ始めている。

上の想定はマクロを見てのものだが、ここ最近、少しずつではあるものの、身近で見聞きするところで景気の良くない話がチラホラ入ってくるようになってきたためである。

まだ決定的なものとは捉えておらず、現時点で経済情勢の悪化に決め打ちしてベットするものではない。

その上で、それでも、今後はこのことを多少頭に入れてリスクテイク判断/決断を行っていくということにする。

2024年4月26日金曜日

少子化・高齢化vs技術革新の構図

インフレ/デフレを想定する上で、雇用という点に焦点を当てると、基本的にはインフレ圧力が働きやすい構造となっていると考えている。


現代の産業構造においては、雇用への影響について、(資本集約型ではなく)労働集約型(※)の産業/事業の割合が高いものと捉えている。

(※)私は知識集約型と呼ばれるものも実際は労働集約なものであると定義している。

そして、誰しもが知っているとおり、我が国日本では少子化により、(将来の)労働者が減少する一方である。また、高齢化により(労働から離脱した者の)消費は増加する一方となる。

そうすると、大変教科書的なお話ではあるが、労働(者)が生み出す財・サービス(=供給)よりも消費(者)(=需要)が大きくなるから、インフレ圧力が働きやすくなる。

つまり、時間軸を長期で取った場合に、雇用に関してはインフレ圧力が働きやすい構造であると想定している。


その一方で、AIをはじめとした技術革新というものは、基本的に雇用に対してデフレ圧力を与える。これはわざわざここで説明するまでもないだろう。

そうなると、労働集約型産業を資本集約型産業に置き換える(または、完全には無理でも、一定程度資本集約化する)ことにより、労働者の減少分の供給を技術革新がどの程度埋めることができるのかというところが、長期的に見た雇用という点に焦点を当てた場合のインフレ/デフレ想定の最も重要な材料の1つとなると考えている。


なお、労働集約型産業を資本集約型産業に置き換えるという点について、大資本には可能であっても、(中~)小資本にはかなり厳しいことであると現時点では考えている。

(相当の技術革新および当該技術の汎用化(低価格化)により可能となるかもしれないとも考えているが、基本的にこういったことは最も悪いケースから想定を組み立てておくと丁度良いと思っている。)

そうなると、小規模事業者にとっては、技術革新が及びづらい(技術革新の提供者にとって市場メリットが薄い)戦場を選んでいく(上手くピボットしていく)というのが、長期的に生き残る道の1つとなるのではないかと想定している。

また、これらの想定から、時間軸を長期で取ると、様々な経済活動において中途半端なもの(中規模なもの)が減少し、「超マクロ」か「超ミクロ」に2極化していくのではないかと妄想している。

2024年4月22日月曜日

データ至上主義(者)の弊害

経営数字と事業ポートフォリオ構築に責任を持つ立場を生業にしている者として、これは本当にその通りだと考える。


とても大きな分岐となるような意思判断、つまり、戦略面での意思決定(決断)は、定性面を見る割合が最も大きい。

この場面において、定量情報(数字/データ)は”兵站”である。それを超えるものでもそれ未満のものでもない。

(もちろん、兵站は戦略決定およびその遂行において極めて重要な要素の1つである。)


数字、データ、定量情報というのは全くもって万能ではない。

それらを万能と捉えてデータ至上主義を取ると、大局観のところで決断/判断を誤る。


俯瞰、大局観、といったところで誤った決断/判断は、残念ながら、どれだけ小手先の部分で取り戻そうとしても決して上手くいくことはない。

故に、経営者/事業者というのは、(データサイエンスが云々、データドリブンが云々、言う前に)まずは俯瞰や大局観というところが一定以上の水準で勝負できるようになることが最も重要であると考えている。

2024年4月17日水曜日

頑固はただただ損するだけ

リスクテイクの類のものは資産運用に限らず万事これ。


付け加えると、自分自身の想定などというものは、(特に最初のうちは)全部誤ると構えているくらいでちょうど良い。

(だから想定しなくていい/想定するなと言っている訳では全くない。)

自らの誤りを直視し、その自らの誤りに対して自ら真っ直ぐに向き合えるかどうか、が長期的には結果を出し続けられるかどうかに最も影響していると思う。

頑固というのはただただ損するだけなのである。

2024年4月13日土曜日

自制心依拠は長期的には超高確率で裏切られるものである

会社経営でも(規模や額は段違いであれど)あるあるな事例。故に、捜査が進まんことには何とも言えんわな、などと思っていたなど(後出しの初言及。ビバ事後諸葛亮!)。


いわゆる”右腕”(=通帳やハンコを信用して持たせてもらうような者)というのは、究極の無金欲(倫理観や誠実さなどでは全然弱い)という性質がないことには長期間その任を果たすのは難しいと思う。

魔が差す瞬間というのは、どれだけ清く正しく美しく生きている者であっても―誰しもに等しく眼前に現れるのだ。

そのときに頼れるのは自制心ではなく、そもそもその対象に対する欲がないというところになるのではないかと感じている。


ただし、何かしらの欲があるから人は前に進むことができるのだとも思う。

現実的/実務的には、人は誰しも魔が差すのだという前提で、諸々の構造を設計するということになると考えている。

人を信じる(信じたい)からこそ、人を手放しで信じてはならない―という禅問答である。


経済の”色”の変わり目の可能性…か?

年初に2024年の想定として「短期的には、日本に関しては、適度なインフレ下(ディスインフレ下)での経済情勢の良化」を優位としたが、この”短期的には”という期間の終わりの始まりを感じ始めている。 上の想定はマクロを見てのものだが、ここ最近、少しずつではあるものの、身近で...